033 9月9日に発表されるだろうiPhone 6cが大ヒットする理由

皆さんご存知の通り、このブログは「ニューロマーケティングってなんだろう?」というタイトルのブログですから、精神、神経、脳などの機能と消費者行動との関係をテーマにしていますが、今日はあまり精神、神経、脳などに関係のないお話です。

 

2007年6月29日、Appleの初代iPhoneが販売されましたが、それから8年が経ちました。もちろん、それ以前からスマートフォンは発売されていましたが、あの歴史に残るスティーブ ジョブズ( Steve Jobs)の初代iPhoneのプレゼンテーションから、世界はスマホブームに突入し、既に全世界で10億台を超えるヒット商品に成長しました。 CNET Newsの発表によると、うち20.4%がiPhoneだそうですから、日本の総人口より多い約2億台のiPhoneが発売されたわけです。

 

そして、そのiPhoneの次世代機である「iPhone 6s、iPhone 6s plus、iPhone 6c」が、9月9日頃開催されるAppleのイベントで正式発表をするだろうとのリークが流れています。私はこのなかの「iPhone 6c」が大ヒット商品になるだろうと考えています。まぁ「次世代 iPhone が大ヒットします」と言ったところで、大きなインパクトはないかも知れませんが、ヒットの理由がいくつもあります。

 

その前に、現行のiPhone 6がヒットした理由のひとつに、iPhone 5 sのモニターサイズが4インチだったのに対し、iPhone 6 で4.7インチ、iPhone 6 Plusで5.5インチと大きくなったことがあります。視認性が良くなったことで視力の弱い高齢者には最適だし、表示サイズが大きくなったことで、ゲームを好む若者ユーザーからも大きな支持を得て”ファブレット”という市場を確立しました。

 

ところで、最近のiPhoneの広告は「iPhone 6で撮影」というコピーで、とても綺麗な画像を見せる広告を見る機会が増えました。つまり、画質の良さを告知していますが、ライバルのSony Xperia Z3は有効画素数約2,070万画素CMOSセンサーを搭載しているに対して、iPhone 6は、有効画素数約800万画素イメージセンサーを搭載していますので、有効画素数だけで見れば、iPhoneの方が劣っています。さらに、発売当初「iPhone 6 Plus」は強度が弱く、お尻のポケットに入れておくと、本体が曲がるという問題や、落下させると簡単にガラスが割れるなどの噂が広がりました。

 

今回発表される iPhone 6s、iPhone 6s plus はこれらの問題を改善し、4Kつまり1080画素(フルハイビジョン)の4倍、つまり4,320画素の解像度の動画撮影に対応しているそうです。しかし、ライバルのSonyのXperia M5も4K動画撮影に対応しているそうですから互角になります。また、iPhone 6 Plusは強度が弱く、本体が曲がるという問題に対して、本体素材が肉厚になることで曲がり難くなっているようです。iPhone 6 Plusの外層の厚みは1.14mmで、 iPhone 6s Plusが1.9mmなので、強度に対する問題も解消していることでしよう。

 

それ以外にも iPhone 6sには、とても偉大な機能が搭載されています。それは「Force Touch(感圧タッチ)機能」です。既に現行のMac Book Airには搭載されていますが、タッチ圧を測ることができるパットです。この機能により、スマートフォンは大きな転機を迎えるとも言われているほど偉大な機能です。ではこのForce Touch機能で何ができるかと言うと、これまで2つのアクションが必要だった操作が、1つのアクションで行えたり、これまで画像や地図の表示サイズを変えるのにピンチイン・ピンチアウトをしていましたが、Force Touch機能だと強く押せば拡大ができたり、音楽を聞いている時に強く押せば早送りできたりします。つまり、指1本でボリュームコントロールができるようになります。

 

いいかえると、これまで両手で行っていた操作を片手でできるようになります。そうなれば、片手でスクリーンのどこでも押すことのできる小さいスマートフォンを望む人が増えることも想像できます。それに対応するのが、ブログのタイトルにもある「アノ商品」=「iPhone 6c」です。iPhone 6cは、iPhone 5 s同様の4インチサイズのスマートフォンです。しかも、1500mAhのバッテリーが搭載されたiPhone 5cよりも、さらにパワーアップした1715mAhのバッテリーを搭載し、サムスンの14nm製造プロセスまたはTSMCの16nm製造プロセスを採用するFinFETの技術が使われるため、A8チップを積む「iPhone 6」よりも高性能なプロセッサーを積んでくるようです。つまり、iPhone 6cは片手で操作でき、バッテリーの寿命も長く、プロセッサーも高速と良いことずくめです。さらに、大きなスマートフォンには嫌気がさしていた人も増えているそうですから、iPhone 6c がヒットすることは間違いないでしょう。

 

先日、台湾の端末メーカーHTCの売上が激減し、2015年に入ってから株価が60%下落し、時価総額15億ドル(約1,870億円)以下になり、同社が6月時点で持っている現金を下回る。つまり、投資家から見ると企業価値がゼロになったというニュースがありましたが、その原因をアナリストは、最近のユーザーの傾向がiPhoneか格安スマホの二択になっていること。加えてサムスンやXiaomiなどにシェアを取られて辛い戦いを強いられていたようだと論じました。*

 

このニュースからすると、すでにiPhoneは有意なポジションにあるといえますが、AppleはアメリカとヨーロッパでMVNO携帯キャリア(格安キャリア)になる準備を進めていると、Business Insiderのレポートが報じています。もし実現すれば、iPhoneユーザーは機種代金から通信料金まで全てAppleに支払うことになります。Apple Fanとしては嬉しいニュースかも知れませんが、ある意味Appleに管理された世界になるという不安がよぎります。あなたはどう思いますか?

 

*『HTC大ピンチ! 株価60%下落で企業価値が事実上ゼロ&製品にも深刻な脆弱性』GIZMODO / 2015年8月11日 18時発信より引用

 

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