049 政治批判を語る◯◯先生に宛てて発信したメッセージの全文

先日、修士時代にお世話になった先生に向けて一通のメールを送信しました。その内容はマーケティングに関するものでも、ニューロマーケティングに関するものでもありませんが、皆さんのご意見も伺いたいと思いこのブログに投稿させていただきました。お時間があれば是非お読みください。

 

◯◯先生

 

ご無沙汰しております。ご存知の通り、以前は頻繁にゼミやご講演に参加させていただいておりましたが、最近ではその機会を控えさせていただいております。本来であれば、その理由をお伝えする必要などないのかも知れませんが、誤解があると残念なので本日はご無礼を承知の上で、先生のご活動に参加しなくなった理由をお伝えさせていただきます。

 

その最大の理由が、ヒトを評価する立場の人間でありながら、政治的或いはイデオロギー的な発言や行動が過ぎる点です。大学院教授が教育者か否かという議論は別にして、成績をつける立場の人間が政治的発言や行動をすると、評価を受ける人間は無意識にその意見に共感します。つまり、イデオロギーを強要していることになります。私は、教育の場面でイデオロギーを強要することはタブーだと考えています。日本国憲法 第19条や第23条は、特に教育の場で尊重しなけらばならないことだと考えています。評価をする人間の意見や行動が、評価を受ける人間の意識に、どのように影響するかを改めてお考えいただきたいと思います。

 

二つ目に、ご高齢でありながら、与党や現職総理について激しく批判される点です。SEALDsの奥田愛基くんのように成人になって間もないヒトが、与党や現職総理について意見することは納得できます。その理由は、年齢的に政治に参加することが許されてこなかったから、デモやウェブ上で発言することくらいしか方法がなかったからです。現公職選挙法では,日本国民で,衆議院・地方議会の議員および市町村長は満25歳以上,参議院議員および知事は満30歳以上の者が被選挙権を有すると定めています。仮に60歳の方なら政治に参加できる期間は30年あったといえます。

 

また、自身が立候補しなくとも、成人になれば選挙権が与えられ、選挙を通して私たち国民は政治に参加しています。私は、政見放送を見て選挙の度に投票に行って、さらに必要なら支持する議員の応援もしてきました。そして、自分が応援してきた結果が、今の日本の政治の姿だと自責的に考えています。与党や現職総理が間違っていると思うなら、なぜ立候補しなかったのか?なぜ共感する政治家の応援活動をして来なかったのか?と問いたい。何十年も私欲の為に自分のビジネスに熱中してきて、今更、与党は問題。現職総理は独裁者だと騒ぐ他責的なご自身の姿を客観的に見ていただきたいと感じております。

 

日本という国を家族に例えるなら、総理はお父さん。高齢者の先輩方はお兄さんやお姉さん。若年者は弟や妹と例えたとしたら、高齢者の方が現職総理を批判するのは「お兄さんがお父さんを批判している状態」のようなものです。そんな家庭で、弟や妹は平和な暮らしができるでしょうか?お父さんの考えに異論があるなら、キッチリと代替案を提示したうえで、自らがその代替案を推進して行かなければ、お父さんも納得できないし、弟や妹もお兄さんやお姉さんのことを尊敬できないでしょう。現在の日本において中高年層が若年層から尊敬されない根源が、いつまでも他責的な発言や行動をする高齢者が多いからではないでしょうか?

 

政治や思想の影響を強要しない教育環境というのは理想論であって永遠に存在しないのでしょうか?私は、教育者ではありませんが、中高年の一人として、若い方々の多角的な意見に耳を傾け、其々の意見を尊重した社会形成に微力ならが貢献したいと考えています。暴力的な方法で政治に異論を唱えることが誤った方法であることを伝えて行きたいと考えています。

 

先生からはこれまで多くのことを学ばせていただきましたし、ヒトとして尊敬させていただいていますが、見せかけで先生のご意見に賛同している自分に限界を感じましたので、無礼を承知でこのメールを送信させていただきました。いつまでもお元気でご活躍されることをお祈りしております。

 

そして、このメールを送信後「連絡ありがとう。いろいろ、心労をかけたみたいで、申し訳なく思っています。(中略)機会があれば、じっくりとご説明します。」というメッセージがきた。

 

この先生の懐の大きさには敬意を表し、この素晴らしい出逢いに、あらためて感謝したい。

 

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