077 今年最初のブログは「2016年問題」を考えるです。
皆さま、明けましておめでとうございます。
僕だけではないと思いますが、「最近は、クリスマスもお正月も “らしさ” を感じることなく過ぎてしまう」という方が多いのではないでしょうか?
クリスマスについて考えると、TVからWEBにメインメディアが移行してきたことと、amazonやZOZOTOWNなどのECモールの発展により、リアル店舗へ行くことが減ったこと、さらに、2015年は忘年会の最盛日であった12月第4週の木〜金にクリスマスが重なったことも原因のひとつかも知れません。お正月についても、三ヶ日明けが月曜日なので、自営業やフリーランスの方が、本日から動き始めるという暦的な影響もあるでしょう。
そんなこともあり「お正月気分も終わり2016年も本格稼働」と、考えている方も多いことでしょう。そこで、2016年に何が起こるのか?考えたいと思います。
さて、皆さまは「2016年問題」という言葉をご存知ですか?これは「2020年東京オリンピックに向け、東京都内や首都圏各地の劇場やコンサートホールが改修工事などのために閉鎖され、イベント用施設が不足する」という問題です。
wikipedia日本版によると、2016年直近に閉鎖済みの施設が、国立競技場・青山劇場 ・津田ホール ・日本青年館・五反田ゆうぽうと・渋谷公会堂・SHIBUYA-AXなど。2016年直近に改装、閉鎖の予定がある施設が、代々木第一体育館・日本武道館・東京国際フォーラム・日比谷公会堂・横浜アリーナ・さいたまスーパーアリーナなどがあるそうです。
これにより、ライブ、コンサート、バレエ、伝統芸能などのイベントの会場が確保できづらくなり、嵐やAKB48、ももいろクローバーZのように動員力のあるグループには大きな痛手となることが確実なうえ、大物外国人ミュージシャンたちが、ワールドツアーから日本を外す動きも出ており、音楽業界には大きな危機感が広がっているそうです。
これが「2016年問題」の概要ですが、オフィス環境についても「2016年問題」があるそうです。首都圏に新築オフィスビルがたくさん完成するのに伴い、オフィス供給が過去最大水準となり、見込んでいた賃料収入の確保が難しくなると言われています。従業員数の絞り込みや事務部門の簡素化を進めている企業では、大きなオフィスの需要が減少しており、構造的な需給ギャップが拡大する可能性があるそうです。この問題も、アクセス、設備、築年数などの物件の格差が拡大するといわれています。
また、それ以外にも「2016年問題」は、あります。例えば、新卒者の就活に関して、2016年卒業予定者の採用から採用活動の解禁を大学3年生の3月に、採用選考の開始を大学4年の8月に、昨年より4ヶ月後ろ倒しになります。採用活動期間が短くなることにより中小企業は大企業と採用日程が重なるので、中小企業が優秀な学生を確保しづらくなる。さらに、大企業のリクルーターが「上位校」の学生へ、これまで以上に積極的に接触してくると考えられています。つまり、大企業と中小企業、上位校とそれ以外の大学の格差拡大が進む可能性が高いそうです。
さらに、それ以外の「2016年問題」として、2011年3月の福島原発事故の影響による放射能汚染疾患人数が、爆発的に増加すると予想されています。チェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの甲状腺がん増加が確認されたこともその理由のひとつだそうです。
最後は、自動車業界の「2016年問題」です。トヨタ自動車が保有するハイブリッド車(HV)技術の主な特許群が2016年度から切れ始め、トヨタ自動車からハイブリッド車の主導権が奪取されるため、他社が一気に動き出し、ハイブリッド車が急速に普及し、エコカーのデファクトスタンダードとなり得るともいわれています。これにより自動車業界の勢力地図は変わる可能性があり、ユーザー側からすれば、ハイブリッド車の特許をしようした他社からも、新しいハイブリッド車が誕生することが考えられ、魅力的な車種の登場や販売価格の低下も期待できそうです。
イベント施設、オフィスビル、新卒者の就活、福島原発、ハイブリッド車・・・とこれら以外にもまだまだ「2016年問題」はありそうですが、「問題」とネガティブに捉えず、「時代の変化」として捉え、イギリスの自然科学者であり、地質学者、生物学者であったチャールズ ロバート ダーウィン(Charles Robert Darwin)の、1859年に出版した『種の起源』の一節を、自身の今年の心構えとして留めておきたいと思います。
本年もよろしくお願いします。
It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is most adaptable to change.
生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。
By Charles Robert Darwin
チャールズ・ロバート・ダーウィン