088 未来が現実になる日とはどんな日なのか?
日本において過去を振り返って「未来が現実になった日」はいつだろうと考えると、1989年10月1日や、1995年11月23日や、2008年7月11日などが、例に挙げられるのではないでしょうか?
1989年10月1日は、それまでポケットに入るサイズではなかった携帯電話が、初めてポケットに入るサイズの機種として、米モトローラが開発した小型・軽量端末「マイクロタック」が、関西セルラーと東海セルラーから発売された日です。
マイクロタックは、それまで500mlのペットボトル程度のサイズの携帯電話や車載電話が一般的だった常識を破り、発売日以降、一時は生産が追いつかなくなるほどヒットしました。
そして1995年11月23日は、ご存知の方も多い Microsoft Windows 95 Operating System の日本国内販売日です。Windows 95については、説明不要だと思いますが、その機能の最大の特徴が「ネットワーク機能の充実」でしたから、ある意味日本におけるインターネットの発売日だったとも形容できます。
さらに、2008年7月11日は、i-phone3G(初代)がソフトバンクから発売された日でした。それまでもPDA(Personal Digital Assistant)と呼ばれるスクリーンタッチの携帯端末が、1996年にUS Robotics社の「Palm Pilot」、さらにPalm Computing社の「palmOne」など発売されてましたが、「スマートフォン」と言う名前は、i-phone3G以降使われるようになりました。
この3つの日付以外にも、例えば1964年10月10日の東京オリンピックの開催日や、1970年3月14日の日本万国博覧会(通称:大阪万博)などの国際イベントなども「 未来が現実になった日」に当たるでしょうが、デジタル好き消費者の一人としては、やはりデジタル系ガジェットの発売日に未来を感じてしまいます。そして、そんな未来が現実になる日が今年もありそうです。
正確な日付は発表されていませんが、今年6月末までに、その日が来そうです。それは、”SONY PlayStation VR”の発売日です。
“SONY PlayStation VR”は、大きなゴーグルのようなヘッドセットを装着することで、ユーザーの動きに合わせてキャラクターが動き、ゲーム空間を体感しているような感覚を味わうことが出来るデジタル系ガジェットです。
VR(Virtual Reality)は、仮想現実を体感できるるテクノロジーであり、既に多くの方がご存知ですが、VRガジェットを実際に持っている方は少ないのが現実です。そんな状態の市場に、誰もが知るメーカーから商品が投下されるわけですからヒットの可能性は高いのではないでしょうか?
価格も4万円〜5万円と予想されていますので、スマートフォンと同等価格と言えます。もちろんゲーム機として発売されるので、携帯電話やスマートフォンのような台数が売れることはないと思いますが、一般家庭にVRが導入されることによって、SONY PlayStation VR を利用するゲーム以外のアプリケーションが開発・発表されることが予想されます。
そして、もう1点はドローン (drone)です。現在は、フランスのParrot社と中国のDJI社が、ドローン市場をリードしていますが、いずれの会社も一般的な日本人には余り馴染みのない会社です。そんな市場に2016年内にGoProが”Karma”という独自のドローンを販売するとWall Street Journalが報じました。
GoProはアメリカ カリフォルニア州サンマテオのWoodman Labs社が展開するウェアラブルカメラ・カムコーダのブランドですが、同社はアクションカメラ市場のリーディングカンパニーとして、2014年にNASDAQに上場した企業ですが、その年間販売数は400万台を超えており、Apple社のCEOであるティム クック(Timothy Donald “Tim” Cook)が買収を検討していると言う噂もあるメジャー企業です。
VRテクノロジー同様、ドローン テクノロジーも既に多くの方がご存知ですが、ガジェットを実際に持っている方が少ないのが現実です。そんな状態の市場に、大手メーカーから商品が投下されるわけですから、ヒットの可能性は高いのではないでしょうか?
こんなことを考えていると「未来が現実になる日」が待ち遠しくなります。