043 起業家を創出するために私たちにできることは何か?(4回連続 ④)
アントレプレナーの育成を目指すMBAの学習の場で、アントレプレナーに必要な発想として語られる概念の一つに、リーダーは「なぜ?」「どうやって?」「何を?」の順に起業を思考し、行動し、コミュニケーションを取るべきであるというサイモン シネック(Simon O. Sinek)氏が、TEDカンファレンスの “Start With Why” のなかで語った概念があります。前回のブログで書いたように、アントレプレナーが起業時に必要とする「名刺・ホームページ・会社案内・SNSページ・パワーポントなどの営業・販促ツール」を初期投資することなく、事業がスタートした後に分割して支払う「無担保」なサービスであれば、次のように考えられます。
なぜ?
雇用創造と法人納税額を増やし発展的社会をつくるためアントレプレナーを育成するべき。
どうやって?
アントレプレナーが感じている「起業に関わるリスク」を軽減するシステムづくりが必要。
何を?
アントレプレナーが起業時に必要なツールを無担保後払いでつくることが可能なシステム。
こういう概念にはハッキリとした正解がないので、主観的な意見になってしまいますが、全く間違っているとは思えません。いろいろと始めたいことがいくつもありますが、まずは「ローリスク ウェブサイトの制作」の事業を第一歩として始めたいと考えています。アントレプレナーやこれから新しい事業を始めたいとお考えの経営者を対象にヒアリングをさせていただき、私たちと気持ちが一致した方からウェブサイトを制作させていただきます。必要であればテキスト作成のお手伝いや、画像や動画の撮影のお手伝いもさせていただいて、よくある格安ウェブサイトビルダーで制作したような独自性のないサイトではなく、プロのウェブクリエイターが作成したと自信を持っていただけるようなサイトを完成させます。
しかし、ウェブサイトは新しい情報が発信できることがメリットですから、完成した瞬間から時間の経過とともに古くなるのではなく、完成後の更新作業やリニューアルが大切です。ですから、更新作業やリニューアルの内容によってメンテナンス料金を継続的にいただき続けます。しかし「無担保」なサービスというのが前提ですから、事業の継続が厳しくてお金が払えなくなれば、違約金なくいつでも解約できるようなシステムであれてば最高だと考えています。
1945年の大東亜戦争終戦以降、日本は「物欲」によって牽引されてきた高度成長期があり、その後バブル経済崩壊までは物欲だけでなく「質欲」が消費経済を牽引してきました。そして、バブル崩壊以降、モノからコトへの欲求が高まり「事欲」の時代を迎えます。さらにリーマンクライシスを超えた頃から「断捨離」という言葉が流行し、今度はモノを持たない、買い物をしないことが美徳だとさえいわれる時代になりました。この先は「モノ」でも「コト」でもなく、人は「思考」に憧れ、自分がカッコイイと感じる「思考」を求める「思欲」の時代が訪れると僕は考えています。消費のスタイルも益々変化し、大人が夜間学校に通ったり、観光ではなく体験型の旅行に行ったり、本や映画にお金を使ったり、これまでの飲み会ではなく、同じ思考の方との語らいの場にお金を使うようになるでしょう。
そうなれば、何かを大量生産して大量販売することは困難になってきます。つまり、より高品質な商品やサービスを求められることになるので、企業はより質の高い人材を確保しなければなりません。そうなれば、ますますコストは高くなります。その高いコストを支払ってでもビジネスを続けるために、高い価格の商品やサービスを販売する以外に方法はないと感じます。しかし、いかなるビジネスも独自性がなければいずれ価格競争になります。このパラドクスを解消する方法は「リスクを思考する=Think RISK!」という考え方が最適だと考えています。
そんな未来を想像して、社会的意義のあるビジネスを創造していただけるアントレプレナーが、お一人でも多くこの日本で生まれることを心よりお祈りしています。