061 経営者のマーケティング思考の度合いを見抜くシンプルな方法

このブログを書き始めて、同業のコンサルタントの方から「あなたのブログの内容は、有料セミナーにするべきですよ!」なんていわれることがあります。でも「Give & Takeではなく、Take & Give、つまり、Takeの向こうにしかGiveがないと信じているので、このままでいいです」と返答します。・・・ということで、今回も普段無料ではお話しないことを書きます。

 

さて、僕の仕事はセールスプロモーションのコンサルティングです。ですから、クライアントさんの殆どはご相談から始まります。そのご相談の冒頭で「この経営者がマーケティング思考の方か否かを判断する質問」をします。その質問は、ボクのようなセールスプロモーションのコンサルティングを行うヒトだけでなく、じつはどなたでもする質問です。

 

その質問とは「あなたのお仕事は何ですか?」というシンプルな質問です。

 

経営者なら一度は耳にしたことのあるマーケティングの概念に「4P」という概念があります。端的にいうと、自社がめざす、製品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・プロモーション(Promotion)の4つの要素を決定し、 マーケティング戦略の立案・実行プロセスを図ろうとする考え方です。つまり、4Pが確定していれば「あなたのお仕事は何ですか?」の問いに対して「◯◯を◯◯して◯◯に◯◯する仕事です」と言えるはずです。

 

この思考がない経営者ほど「えー弊社の仕事はややこしくてですね・・・」なんて前置きがつきます。そして、経営者だけではなく、営業部長や営業担当者さえも同じ回答をすることが珍しくありません。どちらかというとボクの場合は、このような経営者さんの方がクライアントさんになりやすいし、コンサルティングした際に結果にも繋がりやすいので有難いです。

 

話は変わりますが、いろいろなホームページを拝見していて同じようなことを感じることがよくあります。コーポレートサイトでは左上に社名を配置しているサイトをよく見かけます。そして派手なヘッダーがあって、メニューバーから新着情報へと続きます。このトップページでは事業内容が分からず、商品情報などの2階層目のページを見て始めて事業内容が分かります。みなさんもこのようなサイトをご覧になった経験がおありだと思いますし、その際、目的の情報に到達せずイライラしたのではないでしょうか?

 

ホームページの制作会社によっては、派手なヘッダーで注目を集めましょう!とか、他社との差異化を狙いましょう!と提案したり、トップページで離脱しないように2階層目に誘導しましょうと、いう会社もあります。その考え方が間違っているとはいいませんが、企業イメージを左右するコーポレートサイトでそのようなことを考えるべきかは疑問です。

 

ボクが考える理想のコーポレートサイトはトップページで会社の全貌がイメージとして伝わるサイトだと考えています。さらに言うなら、会社の全貌がイメージとして伝わる時間が短ければ短いほどいいと考えています。トップページに主力商品が掲載されていて当然だし、固有名詞には前置きがあるべきだし、社名の上に、前記のお話のような「◯◯を◯◯して◯◯に◯◯する会社」といったキャッチコピーがあって当然だし、もっというなら社会的認知が低い会社なら社名を見た瞬間に会社の全貌がイメージとして伝わる社名にするべきだと考えています。

 

たとえば知らない銀行が2社あったとします。ひとつは「株式会社 みずな銀行」、もうひとつは「株式会社 みずな」だったとして、どちらが分かりやすいでしょうか?さらに、どちらの銀行を利用をしたいと感じますか?

 

精神神経科学的に考えると「反復性効果(3ヒット理論)」という概念があります。これは同じ広告を3回見せると広告効果が飛躍的に向上するという概念です。銀行を探しているシーンを想像すると、①え〜っと”銀行”どこがいいかなぁ〜と考える。②”銀行”というワードで検索する。③「株式会社 みずな」より「株式会社 みずな銀行」の方がSEO的に有利なので、株式会社 みずな銀行ホームページにアクセスする。④サイトが表示された瞬間にトップバナーの「 みずな銀行」の文字を確認する。と、ここまで「銀行」というキーワードを4回も繰り返しています。

 

このお話が「反復性効果(3ヒット理論)」という概念と無関係だったとしても、シンプルな表現がマーケティング的に有効だということはご理解いただけたのではないでしょうか?お話が、コーポレートサイトのお話から社名のお話に脱線しましたが、マーケティング思考の経営を目指すなら4Pを明確にして「シンプル」に自社や自社の商品を表現できるようにすることがファースト フェーズだとボクは考えています。

 

会社の キャッチコピー