006 大切な商談は朝一と昼一が必須!

僕は若い頃から夜型人間で、今でも毎日午前2時から3時くらいまで起きています。だから、オフィスに出勤する時点ではスッキリ目覚めているとはいい難い状態で、同様に弊社のスタッフには夜型の人間が多いです。そんな人の中には、目を合わさない人や、言葉が遅れたりする人もいます。このような症状について、新潟県立精神医療センターの藤田 基 先生が「広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder; PDD)の特徴として、視線を合わさない、ことばが遅れていたり、一問一答になって会話にならない」などをあげておられるように早朝の時間帯においては、 広汎性発達障害に近い状態にあるのかも知れません。しかし、午後になるとその症状も解消するところをみれば、一過性のことに過ぎないといえます。

 

このように、時間の経過と共に人間の精神・神経の状態は刻々と変化します。そして、時間の経過と人間の精神・神経の状態について、いくつかの研究が行われています。ハーバード大学のマリアム・クーシャキさんとユタ大学のアイザック・H・スミスさんは、意思決定に関する実験と称して被験者を募集し、不誠実な行動について調査しました。その結果、人が不誠実になりやすいのは午前中より午後であることがわかりました。こうした結果になるのは、時間の経過に伴って 認知力が弱まった時に人が経験する「心理的な消耗」のためだと論じました。この研究から、人は午後の時間に、2割から5割増しで不誠実な行動を取りがちであるということが明らかになり、午後3時から6時になると自制する力が枯渇してくるそうです。

 

いつもの平凡な業務から来る疲労が、だんだん増して、頭も体も心もモラルの低下を招き、良心的な人でも、これを避けることはできないそうです。そして、倫理的な内容を含む仕事は、あまり消耗を感じない午前中や休み時間の後に行い、一日の終わりに持ってくるような予定を立てないようにすべきだと発表しました。

 

つまり、相手の誠実な判断を望む大切な商談やプレゼンテーションは、朝一(午前中)か、昼一(昼食後)に行うことが有効だともいえます。夕方に打合せをして、終了後、飲みに行くという段取りは、倫理学的には望ましくないといえます。営業マンさんは今週から時間配分を見直してみてはいかがですか?営業成績が上がるかもしれませんよ。

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